リモワはなぜ高い？ブランドと素材・製造工程からわかる5つの理由

2025年6月12日

空港で見かけるあの銀色のスーツケース、価格を見て驚いた経験はありませんか？

「なんで普通のスーツケースが20万円もするの？」
「同じような見た目の商品が3万円で売ってるのに…」
「ブランド代だけでこんなに高いなんて、ぼったくりじゃないの？」

リモワの価格表示を見た瞬間、多くの人がこんな疑問を抱きます。

確かに一般的なスーツケースと比べると、その価格差は5倍以上。旅行用品としては高すぎと感じる人も多いと思います。

でも、もしその価格差に納得できる理由があるとしたら？

実際に使った人の多くが「一生モノ」と評価し、世界中のエグゼクティブやセレブリティが愛用し続けるのには、単なるブランド価値を超えた具体的な根拠が存在するんです。

この記事では、リモワの「高すぎる価格」の裏側にある5つの秘密を、素材から製造工程まで徹底的に分析します。

読み終える頃には、その価格が決して「ぼったくり」ではないことが理解できるはずです。

リモワが高い理由は？価格に隠された価値を徹底解剖

リモワの価格は単なるブランドイメージの反映ではありません。

その裏には高品質な素材と技術、歴史とブランド価値、さらには充実したサポート体制が揃っています。

ここでは、まずその全体像を整理してから、各ポイントを詳しく掘り下げていきます。

高品質素材・職人技・ブランド価値・保証制度・カスタマイズ性の5つ

リモワが高額になる主な理由は、以下の5つに集約されます。

軽量かつ頑丈な高級素材（アルミニウム合金・ポリカーボネート）
職人による緻密な製造工程（200以上の部品、90工程以上）
125年を超える歴史が築いたブランド価値
購入後も安心できる生涯保証と修理ネットワーク
個性を演出できるカスタマイズオプション

これらが組み合わさることで、リモワは単なるスーツケースを超えた「一生モノの投資」として位置づけられます。

次章から、それぞれをさらに詳しく解説します

① 高品質な素材が支える耐久性と美しさ

リモワが高額である最大の理由は、使用される素材の品質にあります。

単なるプラスチックや合成樹脂ではなく、航空機にも使われるアルミニウム合金や高性能ポリカーボネートを採用しています。

これらの素材が、リモワ独自の耐久性と洗練された美しさを生み出しています。

アルミニウム合金の採用と航空機技術の影響

リモワは1930年代からアルミニウムをスーツケースに採用してきました。

航空機の構造にヒントを得たアルミニウム合金は、軽量でありながら極めて高い耐久性を誇ります。

特にリモワの代表モデル「オリジナル」「クラシック」シリーズは、このアルミ素材をふんだんに使用しています。

アルミニウムは衝撃や圧力にも強く、飛行機の預け荷物でも変形しにくい特性があります。

また、アルミ特有の金属光沢は経年変化によって味わいが増していき、細かい傷や凹みさえも「旅の履歴書」としてユーザーの思い出となります。

それこそがリモワを選ぶ理由なのです。新品の完璧な状態から、使い込まれた味わい深い風合いへ。

この変化を楽しめるかどうかが、リモワを「高い買い物」と感じるか「一生の相棒」と感じるかの分かれ道になります。

ポリカーボネートの軽さと衝撃吸収性

一方、軽量さを追求するユーザーにはポリカーボネート製モデルが人気です。

2000年以降に登場した「エッセンシャル」シリーズは、その代表格と言えます。

ポリカーボネートは航空機の窓や防弾ガラスにも使用される高性能樹脂です。

非常に軽量で持ち運びが楽なうえ、衝撃を柔軟に吸収して内部の荷物をしっかり守ります。

アルミより軽く、耐衝撃性にも優れているため、女性や高齢者にも扱いやすいのが特徴。

また、カラーラインナップも豊富で、個性を表現しやすいメリットもあります。

見た目の美しさと機能性を両立する素材選びは、リモワが長年磨き上げてきた技術力の結晶です。

もちろん、ABS樹脂などを使用した安価なスーツケースも存在します。

しかし、耐久性・軽さ・美観を総合的に備えた素材はポリカーボネートが圧倒的に優れています。

だからこそリモワは、多くのユーザーに長く愛され続けているのです。

② 職人技が光る緻密な製造プロセス

リモワのスーツケースは、単なる大量生産品ではありません。

製造現場では職人たちの手作業が多く取り入れられ、驚くほど丁寧に組み立てられています。

この緻密な製造工程こそが、価格に反映される大きな理由のひとつです。

1個あたり200超のパーツと100以上の工程

リモワのスーツケースは、約200以上の部品で構成されています。

これらのパーツは、細部まで精密に作られ、ズレなく噛み合うよう設計されています。

その組み立てには100以上の工程が必要で、アルミモデルでは特に職人の手作業が重要になります。

例えば、象徴的な「縦溝（グルーヴデザイン）」の加工は機械だけでは実現できません。

最終仕上げは熟練した職人が微調整を加え、見た目と機能性を両立させています。

このような工程を経ることで、高い耐久性と美しさが両立されたスーツケースが完成します。

「大量生産の方がコストを抑えられるのでは？」と思う人もいるでしょう。

確かにコスト削減は可能ですが、品質は大きく損なわれてしまいます。

リモワは効率よりも品質を最優先し、職人技にこだわり続けています。

手作業による高精度の仕上がり

1台のリモワスーツケースを完成させるのに、多くの工程で熟練工が携わることで、高精度な製品が安定的に供給されています。

リモワの工場はドイツを中心に高度な生産ラインが組まれていますが、最終的な品質保証は人の目と手によって行われます。

僅かなズレや傷も妥協しない姿勢が、完成品の信頼性を支えています。

これが空港での荒い扱いにも耐え、10年20年と使い続けられる秘密です。

もちろん、もっと安価なスーツケースは短時間で量産できます。

しかし、長年使い続けられる品質を考えれば、リモワの緻密な製造プロセスはむしろ合理的と言えます。

こうして作られる製品だからこそ、多くのユーザーが「高いけれど買ってよかった」と実感しているのです。

③ 125年の歴史が築いたブランド価値と信頼性

「なんで鞄に歴史が関係あるの？」と思っていませんか？

でも、考えてみてください。あなたがスマートフォンを買う時、アップルやサムスンを選ぶのはなぜでしょうか？

それは「この会社なら間違いない」という安心感があるからです。

リモワも同じ。125年間、一度も倒産せず、品質を落とすこともなく、世界中の人々に愛され続けてきました。この実績こそが、10万円という価格に込められた「安心料」なのです。

小さな町工場から世界のトップブランドへ

1898年、ドイツの小さな町ケルンで木の箱を作る職人からスタートしたリモワ。

当時は誰も知らない小さな会社でした。でも、そこから125年かけて築き上げたものは計り知れません。

1930年代：飛行機の技術をヒントに、世界初のアルミ製スーツケースを開発
1950年：あの有名な「縦の線」デザインを生み出す
2017年：ルイ・ヴィトンで有名なLVMHグループの仲間入り

「LVMHに買われたから値段が上がったんでしょ？」

確かにそう思う人も多いでしょう。でも実は、LVMHがリモワを欲しがったのは、すでに世界中で認められた素晴らしいブランドだったからなんです。

つまり、高品質だからLVMHが買ったのであって、買われたから高くなったわけではないのです。

あの「縦線」に隠された秘密

リモワを見れば一瞬で分かる縦の線（溝）。実はこれ、ただの飾りじゃありません。

1950年代の名機「ユンカースF.13」という飛行機からヒントを得たデザインなんです。当時の人々にとって、飛行機は「最先端技術の象徴」「憧れの乗り物」でした。

そのイメージをスーツケースに込めたのです。

だから今でも、リモワを持って空港を歩く人は「旅慣れた洗練された人」に見えるんです。これは70年以上かけて作り上げられた「ブランドの力」なんです。

「見栄のためのブランドじゃないの？」

そう思われることもあります。でも、本当に見栄だけなら、こんなに長く愛され続けるでしょうか？

実際に使った人の多くが「次もリモワを買う」と言います。これは、見た目だけじゃなく、実際の品質や使い心地が本当に良いからなんです。

④ 購入後も安心できるアフターサービスの充実

リモワが高価であり続ける理由には、購入後のアフターサービスの手厚さも大きく関係しています。

「買ったら終わり」ではなく、長年安心して使い続けられる仕組みが整っています。

生涯保証の条件と対応範囲

2022年7月25日以降に購入したリモワ製品には、生涯保証が適用されます。この保証は、製品登録を公式サイトで行うことで有効になります。

保証の対象は、ファスナーやハンドル、鍵の不具合といった機能的な故障が中心で、正常な使用の範囲内で発生した不具合であれば、無償で修理や部品交換が受けられます。

他ブランドでも保証はありますが、多くは数年単位で終了します。

リモワは一生涯を通じて機能保証が続くため、非常に心強い制度と言えます。

長期の出張や頻繁な旅行で酷使しても、故障時にはしっかりサポートを受けられるのは安心感が違います。

残念ながら、外装の傷や凹みまでは保証対象外ですが、スーツケースとして致命的なダメージに生涯対応してくれる制度は他にありません。

世界120か所超の修理ネットワーク

リモワは修理対応の拠点を世界中に120か所以上設けており、直営店、提携ホテル、認定修理業者などを通じて、迅速に修理を受け付けています。

旅先でトラブルが発生しても、現地で対応してもらえるケースもあり、非常に利便性が高いです。

さらに、リモワのカスタマーサービスは対応が丁寧で、相談から修理完了までスムーズに進められます。

修理パーツも純正部品を使用するため、品質が維持され続けます。

「保証があっても修理が面倒では？」と懸念する人もいるかもしれません。

確かに他ブランドでは修理拠点が少なく、配送や手続きが手間になることもあります。

しかし、リモワの広範なサポート網はそうした不安をほぼ解消しています。

こうしたアフターサービスの手厚さは、高額な初期投資に見合った価値を提供してくれます。

長く愛用できるからこそ、結果的にコストパフォーマンスは高くなるのです。

⑤ 自分だけの1台にできるカスタマイズの魅力

リモワのスーツケースは、単なる移動手段の道具にとどまりません。

所有者の個性を反映できるカスタマイズ性も、価格に見合った魅力の一つです。

他にはない特別感が、リモワの付加価値をさらに高めています。

Classicスーツケースのパーツ交換やカラー変更

リモワはClassicシリーズなど一部モデルで、ユーザーが好みに応じてパーツを選択できる仕組みを導入しています。

ハンドル、ホイール、ステッカー、ネームタグなどを自由にカスタマイズ可能です。

カラーリングも豊富で、自分好みの配色に仕上げられます。

これにより、世界で一つだけのオリジナルリモワを作ることができます。

例えば、ビジネス用途なら落ち着いたモノトーンカラーで統一したり、旅行用途ならポップな差し色を加えたりと、シーンに合わせた演出が可能です。

ネームタグに自分のイニシャルを刻印すれば、所有欲も一層高まります。

こうした細やかなカスタマイズは、他ブランドではなかなか実現できません。

一部には「カスタマイズは自己満足では？」と感じる人もいるでしょう。

確かに、性能自体が大きく変わるわけではありません。

しかし、旅のたびに愛着のあるスーツケースを使う満足感は計り知れません。

だからこそ、リモワを選ぶ人は“持つ喜び”そのものを重視するのです。

オリジナリティと所有満足度の向上

カスタマイズは見た目だけでなく、機能的な利便性にもつながります。

自分に合ったハンドルやホイールを選べば、操作性もさらに向上します。

これにより、より快適な移動体験が実現します。

また、空港やホテルで荷物を見失う心配も減ります。

カスタマイズによって個性的な外観になるため、自分の荷物がすぐに判別できます。

こうした利便性もまた、実用面での大きなメリットです。

価格だけを見れば確かに高価ですが、こうした細部の満足度まで考慮すれば、リモワは単なる「スーツケース」以上の価値を提供しているのは間違いありません。

⑥ 批判的な視点：全員に最適とは限らない？

リモワには圧倒的な魅力がありますが、決して全員にとって完璧とは限りません。

ここでは、実際にユーザーから挙がっている批判的な声や代替案についても整理します。

耐久性トラブル報告の実例（ジッパー・車輪・ハンドルなど）

高品質が売りのリモワでも、まれに耐久性に関する不満が報告されています。
主なトラブル事例は以下の通りです。

ジッパー部分の破損や開閉不良
車輪の摩耗や破損
テレスコピックハンドルの動作不良
輸送中の衝撃によるアルミのへこみ

特に頻繁に長距離移動するヘビーユーザーからは、5年以内でこうしたトラブルが発生したとの声もあります。

もちろん、生涯保証が適用されるケースも多いですが、修理の手間やコストが気になるという意見も一部にあります。

「本当にそんなに丈夫なら故障しないはずだ」という批判も存在します。

確かに理想的な耐久性を期待する声は理解できます。

ただし、これらのトラブルは全体から見れば少数派であり、多くのユーザーは長期にわたり満足して使用しています。

安価な代替ブランドとの比較（TravelPro・Briggs & Rileyなど）

「同じ金額を出すなら他の高品質ブランドも検討できる」と考える人もいます。
以下はよく比較対象に挙げられるブランドです。

ブランド	特徴	価格帯	保証内容
TravelPro	軽量で出張向けに人気	約2〜5万円	有償修理あり
Briggs & Riley	生涯保証が充実	約7〜10万円	無条件生涯保証
TUMI	高級ビジネス向け	約8〜15万円	有償修理あり
Samsonite	コスパ重視	約1〜3万円	3〜10年保証